てんかん症例検討会が開催されました。

7月20日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更しております。

症例1:発作回数が少なく、発作と発作の間の長い方の症例です。発作は前兆と思われる症状があり、PEの可能性が高いがIGEの可能性も否定ができないため治療の第一選択薬はLEVが良いとなりました。発作が少ないため治療を開始するかどうか本人と相談の上、入浴など日常生活の注意点を伝えるという結果になりました。

症例2:発達障害がある方の症例です。発作は親が発作の記録をしたものと実際の親からの証言が合わず診断は難しいため、痙攣の様子を動画で撮影することになりました。本人の生活能力がわからないためショートステイなどを利用し、能力を確かめながらリカバリーを進めていくという結果になりました。

次回のてんかん症例検討会は令和4年9月14日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました。

5月18日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更しております。

症例1:発達障害の診断を受けている方の症例です。発作は多彩な症状を訴えているため、自閉症の知覚過敏による身体感覚の訴えをしているのではないかとなりました。治療は、薬を使うよりも周囲の環境を整えることが必要という結果になりました。

症例2:高齢発症てんかんの方の症例です。現在処方のてんかん薬で発作が続くようであれば、増量を検討するという結果になりました。

症例3:脳梗塞の既往がある方の症例です。てんかん発作に対しては現在の処方で問題ないが、脳梗塞に対して、基礎疾患が背景にある可能性あるため神経内科のフォローアップをするという結果になりました。

症例4:決まった時間にしか発作が起こらないと訴える方の症例です。本人の話からでは事実か不明な点が多く、病歴が長いためてんかんとは別疾患がある可能性も否定できず、治療は、3剤目の抗てんかん薬使用の検討をしてもよいという結果になりました。

次回のてんかん症例検討会は令和4年6月22日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました。

4月20日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更しております。

症例1:てんかんの家族歴のある方の症例です。人によって発作タイプのばらつきがあることから新しいタイプの家族性のものではないかとなりました。遺伝子解析の提出をしてもよいかもと検討されました。

症例2:本人が話すてんかん発作の内容に矛盾があることからてんかんかどうかわからない方の症例です。治療はこのままで、生活面での支援をしていくことになりました。

症例3:手術後だがてんかん発作が続いている方の症例です。服薬できているか怪しいところあり、訪問看護を導入し、服薬確認後に発作判定をしていくことになりました。

次回のてんかん症例検討会は令和4年5月18日にすずかけクリニックにて開催予定です。

第54回日本てんかん学会にてパープルデーブースを出展しました。

令和3年9月に名古屋で開催されたてんかん学会にて、パープルデーブースを出展しました。

新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大のため、学会はオンラインでの開催となりましたが、パープルデーブースには、当事者や先生方など連日大勢の人が来てくれました。

ブースでは、T-シャツやバッチ、アクセサリーなど、手作りのパープルデーグッズを販売し、ビデオ上映などでてんかんについての啓発活動や、全国でのパープルデー活動の紹介をしました。

会場には、パープルマンバイクも登場!次回はパープルデーに皆さまに会いに行きます。

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  • 第54回日本てんかん学会にてパープルデーブースを出展しました。

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第17回全国てんかんリハビリテーション研究会がオンラインにて開催されました。

第17回全国てんかんリハビリテーション研究会がオンラインにて開催されました。

一般演題

  • 「てんかんに統合失調症とアルコール依存症を合併しリハビリの継続が困難であった一例」
    上西優介氏(和歌山県立医科大学神経精神医学教室)
  • 「発達障害を伴うてんかん患者へのゲームを利用したリカバリー支援の報告」
    見山彩世氏(医療法人福智会すずかけクリニック)
  • 「当院のMOSESに参加したてんかん患者の体力と運動習慣・就労状況の関連について」
    石川佳歩氏、藤井梨沙氏(国立病院機構静岡てんかん・神経医療センターリハビリテーション科)

特別講演

  • 「なんで、私が?~若手医療者に向けたてんかん臨床研究へのいざない~」
    黒田直生人先生(ウェイン州立大学ミシガン小児病院小児科)
  • 「障がいのある方の"超"短時間雇用ショートタイムワーク制度」
    梅原みどり氏(ソフトバンク株式会社人事総務統括CSR本部CSR部多様性推進課)

「発達障害を伴うてんかん患者へのゲームを利用したリカバリー支援の報告」

当デイケアに通所されているてんかんと発達障害を併発する患者のリカバリー支援について発表しました。薬物療法を経て発作はとまっていますが、発達障害によるコミュニケーションの問題から社会参加が出来ていない事例です。

接客がしたいという夢があり、まずはデイケアでのコミュニケーショントレーニングを始めることになります。入所直後は周囲との交流が見られませんでしたが、「ウマ娘」というスマホアプリゲームをきっかけに1人のメンバーと交流をするようになります。

活動の幅が広がりを見せつつありますが、このメンバーとの1対1の関係からの広がりまでには至っていません。

そこで発達障害の特性による苦手なところを補完する手段を考える、本田秀夫先生が提唱された「トップダウン式」のアプローチで、環境づくりを行うことが本人の社会参加に向けて必要と考えました。

本人の希望する就労に向けて、本人の得意分野であるゲームを利用し、まずは活動の拠点づくりとしてデイケアでゲームを通して人と関わる経験をしていく必要があります。いずれは、ゲームプログラムをつくり同じようにゲームに興味のある人たちを意図的に集め、小さな集団から交流の場を多く提供することで人とのかかわりを増やす環境づくりをしていきたいと考えています。

今回の発表をしてみて、一人の事例を取り上げることでその人のことを深く知ることができ、また障害による特性に対してどのようなアプローチが必要かについて学ぶ機会になりました。その人によって対応は異なるため、その人の理解、治療法の検討が重要だと感じました。                        

医療法人福智会すずかけクリニック 見山 彩世

てんかん症例検討会が開催されました

2月16日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:部分てんかんの方の症例です。過去の怠薬と運転免許の許可についての検討がされました。

症例2:失語発作のある方の症例です。運転免許の許可や今後の治療についての検討がされました。

症例3:高次脳機能障害の方の症例です。発作はPNESである可能性が高いものの、EPCを完全には否定できない、との結論でした。今後も定期的に検査などで経過をみていくことになりました。


次回のてんかん症例検討会は令和4年3月16日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

12月22日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:過去に何回か症例検討会で検討している方の発作時脳波について検討をしました。発作は補足運動野の発作である、との結論でした。側頭葉てんかんとの違いなども検討しました。

症例2:様々な発作症状の訴えがある方の症例です。過去には数回てんかん発作があった可能性もありますが、現在は精神症状についての改善が重要であり、背景に発達障害がないのかを検討していくことになりました。

症例3:若年性欠神てんかんの症例です。今後の薬物療法について検討しました。

症例4:てんかんとPNESを疑われている方の症例です。発作時ビデオからPNESではなく、てんかん発作であろうとの結論に至りました。現在発作は抑制されておらず、今後の薬物療法についての検討をしました。


次回のてんかん症例検討会は令和4年1月19日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

てんかん症例検討会が開催されました
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11月17日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:構音障害を認める方の症例です。てんかんか否かの検討がなされました。てんかんの可能性は低く、今後は神経内科での精査を進めていくとの結論に至りました。

症例2:失神を繰り返している方の症例です。過去の失神は限られた場面で出現しており、今後の治療方針についての検討をしました。


次回のてんかん症例検討会は12月22日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

10月13日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:失語を認める側頭葉てんかんの方の症例です。運転の許可についての検討がされました。また、今後の治療方針などについても検討いたしました。

症例2:頭部外傷後に焦点性てんかんを発症された方の症例です。薬物療法についてと今後の社会的支援、治療方針について活発な議論がなされました。


次回のてんかん症例検討会は11月17日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

8月18日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:うつ症状を認める方の症例です。てんかん発作は認めませんが、過去の過眠を伴う、うつ症状についての検討をしました。

症例2:てんかん発作と発達障害を認める方の症例です。この方の場合はてんかん発作の抑制よりも、今後の社会生活には発達障害による症状の方が問題となるため、支援の方法などが検討されました。

症例3:「何をしていたのだろう」と我にかえる症状について検討されました。今のところCPSか欠神発作なのかは判別できませんが、てんかんである可能性は高いとの結論でした。

症例4:全般性強直間代発作がある方の症例です。部分てんかんか全般てんかんなのかを診断するのは困難ですが、今後の薬物療法についてが検討されました。


次回のてんかん症例検討会は9月15日にすずかけクリニックにて開催予定です。

第16回全国てんかんリハビリテーション研究会が開催されました。

6月26日に第16回全国てんかんリハビリテーション研究会が開催されました。

一般演題

一般演題では、4題の講演がありました。

  • 「てんかん患者の訪問看護で見えてきた服薬に関する問題点」
    原 ますみ氏(医療法人福智会 訪問看護ステーションHOPE)
  • 「てんかんと知的障害を合併し衝動性の制御に難渋した一例」
    上西 優介氏(和歌山県立医科大学神経精神医学教室)
  • 「単科精神病院でのてんかん外来~精神科に期待されるてんかん診療とは?~」
    中岡 健太郎氏(愛知精神医療センター精神科)
  • 「異障害コミュニケーションを考える」
    福智 寿彦氏(医療法人福智会 すずかけクリニック)

特別講演

特別講演は、前澤聡先生によって普段見ることのできない硬膜下電極や深部電極の説明や実際の手術の様子なども紹介していただきました。

・「てんかん外科の最近の話題 SEEGと覚醒下手術」
前澤聡先生(名古屋大学脳とこころの研究センター特任教授)

日本では名古屋大学にしかない定位手術ロボットを利用した頭蓋内脳波記録は、開頭を必要としないため、患者さんへの負担も少なく、かつ安全性も高いそうです。

これから手術を検討する患者さんに対して、私達も知識をアップデートして正しい情報を伝えていく必要性を強く感じました。

パネルディスカッション

「当事者の夢を実現するリハビリテーション」のパネルディスカッションでは、当法人のデイケアや作業所などを利用されている当事者の方発表がありました。

発作や精神症状の悪化に加えて、子育ての問題や家族との死別など大変な難局を乗り越えて、一歩ずつリハビリテーションを進めてきた彼女の「昔は自分が嫌いだったけど、今の自分は好き」という言葉はとても感動的で心に響きました。

てんかん症例検討会が開催されました

6月16日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:他院の症例です。異常脳波所見が提示され、脳波とてんかんや知的障害の関係が検討されました。

症例2:当院で測定された発作時脳波について検討しました。補足運動野の発作であるとの結論に至りました。

症例3:過去に症例検討会で検討された方の症例です。現在は転院しており、転院先での経過について報告がありました。MELAS(mitochondrial myopathy,encephalopathy,lactic acidosis,and stroke-like episodes)と診断され、過去の発作はこれにより出現したものであろう、との結論に至りました。

症例4:側頭葉てんかんの症例です。今後の薬物調整について検討されました。

症例5:過去にはてんかん発作も出現していましたが、現在はPNESが多く出現している方の症例です。今後の治療方針について検討されました。

次回のてんかん症例検討会は7月14日にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

5月19日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:高齢者てんかんの症例です。長期に渡る記憶障害はてんかんによるものとの結論に至りました。

症例2:PNESが疑われる方の発作動画を視聴しました。発作はてんかん発作である、との結論でした。

症例3:過去に全般性強直間代発作を認める方の症例です。以前はAEDの血中濃度が低く、発作はその為に出現しており、現在の情報では全般性てんかんか焦点性てんかんかの鑑別は困難との結論でした。

症例4:チカチカした光が見えた後にGTCが出現する方の症例です。GTCは現在認めていませんが、チカチカした光だけみえる症状があることがあり、これがてんかん発作なのか否かが検討されました。

次回のてんかん症例検討会は6月16日(水)にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

4月14日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:当院通院中の方ですが、過去に他院にて発作時脳波が記録されていました。今回は発作時脳波を中心に検討がなされました。発作動画より前頭葉てんかんの可能性が示唆されましたが、今後は睡眠障害の有無も精査していくとことなりました。

症例2:他院の方の症例です。焦点についての検討を主に行いました。発作時動画からは前頭葉てんかんであろう、との結論に至りました。

症例3:他院の方の症例です。動画から捕捉運動野の発作であろう、との結論に至りました。

次回のてんかん症例検討会は5月19日(水)にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

3月17日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:若い頃からてんかん発作がある方の症例です。現在も複雑部分発作を週単位で認めており、手術の適応や今後の薬物調整などが検討されました。手術に関しては今後脳外科での精査の結果をふまえて再検討する事になりました。

症例2:高次脳機能障害とてんかん発作がある方の症例です。高次脳機能障害のリハビリや今後の薬物調整、家族への支援などが検討されました。

次回のてんかん症例検討会は4月14日(水)にすずかけクリニックにて開催予定です。

令和2年度日精神チーム医療・地域リハビリテーション特別WEB研修会「負けないぞ!コロナなんかに!」が開催されました。

15回リハ研チラシ
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令和3年2月7日に日本精神神経科診療所協会主催のWEB講習会が開催されました。

今年のテーマは「負けないぞ!コロナなんかに!」でした。帝京大学医学部付属溝口病院の張先生による特別講演は、コロナ禍での自殺問題についての講演でした。

軽度のうつ病や適応障害と診断されている方の自死は想像しているよりも多く、注意が必要であること、希死念慮を訴える方にどう接するべきかなど、とても参考になる講演でした。

シンポジウムでは、当院の院長である福智先生とにじクリニックの西浦先生が、自院のデイケアや外来でのコロナ対策への取り組みを報告されました。

日々の感染対策が重要なのはもちろんですが、感染が判明した時にどう動くべきなのか、それがクラスターや感染拡大を防ぐ上でとても重要である事を再認識する事ができました。

発表されたどの施設も感染防止に奔走しており、経営的にも苦労をしています。ソーシャルディスタンスが推奨される現状ですが、感染防止を心掛けながら、メンバーや患者が孤立しないように、訪問や電話、オンラインなど様々な方法で継続して支援していきたいと思います。


てんかん症例検討会が開催されました

12月16日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:頭の中で音がした後に手足のけいれんが現れる方の症例です。症状はてんかんではなく頭内爆発音症候群と考えられ、今後の治療について検討されました。

症例2:起床時に筋肉痛、口内炎などができており、睡眠中の発作が疑われる方の症例です。覚醒時にも何回か強直を伴う発作が出現していますが、病歴の中にはてんかん発作として説明が難しい発作もあり、今後は睡眠中の発作と思われる症状に注目して経過を観察することになりました。

症例3:幼少期よりてんかん発作があり、5年程前からPNESを疑われる発作が出現している方の症例です。病歴からてんかんである事は間違いがないが分類は不明、今後は幼少期の脳波所見の確認、発作動画を家族に撮影してもらう、などの方法で検討していくこととなりました。

症例4:過去の症例検討会で後頭葉てんかんと診断された方の症例です。前兆のみが継続しており、今後はNaチャンネルブロッカーの処方により前兆の消失を確認していくことになりました。

次回のてんかん症例検討会は、令和3年1月13日にすずかけクリニックにて開催予定です。

『第15回全国てんかんリハビリテーション研究会』がオンラインにて開催されました。

一般演題15回リハ研チラシ
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①山口規公美氏(日本橋神経クリニック)
『外来でのMOSESの取り組み』:外来で2日間という短期間で集中してMOSESを実施された報告でした。参加者の満足度はとても高く、今後も積極的に取り入れる予定との事でした。

②遠藤美幸氏(すずかけクリニック)
『PNES患者へ多機能垂直型施設の支援とQOLの変化』:福智会でのPNES患者への支援についての報告でした。PNESの治療には外来診察だけではなく、デイケアやB型作業所などでの行動療法が重要であることが報告されました。

③那須裕輔氏(国立精神・神経医療研究センター)
『てんかん学習プログラムとその後の支援』:てんかん学習プログラムが非常に困難だったに症例についての報告でした。

④中澤正氏(公益社団法人日本てんかん協会神奈川支部)
『てんかんがある方々の生活支援・就労支援~障害福祉サービスとてんかん』:障害福祉サービスの現場では、てんかんへの理解が未だに進んでいないことが報告されました。職員は発作への不安を抱えており、今後はSNSなどでの勉強会の告知が効果的ではないか、との提案もありました。どの発表もとても興味深く、活発な討論がなされました。

基調講演

【診療報酬改訂と持続可能てんかんリハ】
中里信和先生(東北大学大学院医学系研究科てんかん学分野 教授)

心理職が国家資格になったにも関わらず、現在の診療報酬制度では、てんかんリハビリテーションでも使用しているMOSESが単独で点数がとれないなどの問題点を抱えています。

てんかん患者のリハビリテーションに関わる算定が認められるようにするには、エビデンスを明確にしなくても、100例の事例検討を積み重ねる事で可能になるそうです。今後は様々な施設での事例検討を集め、診療報酬の改訂を目標にする提案が中里先生からありました。

特別公演

【ICTやAIを活用した精神科医療の展望】
岸本泰士郎先生(慶応義塾大学医学部精神・神経科学教室 専任講師)

米国のオンライン診療を誰が利用したいと思っているか、何に利用できるのかという調査では、13歳以下のお子さんを持つ親や、現在疾患にかかっている方の利用の希望が高いという結果でした。

現在日本ではひきこもりの方や強迫性障害患者には遠隔診療の方が最適ではないかと考えられており、試験をおこなっているそうです。高齢者のアルツハイマー患者などに対する認知機能検査も実施されています。

最近ではICTによる患者の重症度の判定や、話し方の特徴からAIを使った認知症早期発見、などに対する試験も実施されています。米国ではうつ病患者さんの治療に対する満足度は遠隔と対面で有意差がないと報告されており、今後は日本でも諸外国に遅れをとらないように、遠隔治療をアクティブにしていく必要があるそうです。

とても興味深い、学びある講演を聞く事ができました。

てんかん症例検討会が開催されました

11月18日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:発作が日単位で出現する側頭葉てんかんの方の症例です。薬物治療では抑制出来ず手術の適応が検討されました。発作時脳波・MRIでは焦点がはっきりと確認出来ず、さらなる精査が必要との結論でまとまりました。

症例2:生後まもなく発作が確認された症候性部分てんかんの方の症例です。現在も発作は抑制されておらず、今後の治療方針や家族・本人への支援方法が検討されました。

症例3:脳波所見に特発性全般てんかんの所見がある方の症例です。強直発作のみで間代発作が確認出来ず、閉眼して体が突っ張るなど典型例とは異なる発作が確認されています。合致しない点は多いいもののIGEの可能性は高いという結論でした。

症例4:口をモグモグさせ、意識減損がある方の症例です。発作時動画からはてんかんであるとは断言出来ない、とういう結論でまとまりました。現在AEDの投与により発作は抑制されており、うつ症状も改善されていることから薬物治療を継続し経過観察をしていくこととなりました。

症例5:一点をみつめて反応がなくなる発作が出現している方の症例です。脳波所見、MRI、発作症状から側頭葉てんかんだろう、との結論でまとまりました。

次回のてんかん症例検討会は12月16日(水)にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

10月21日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:発作時に歌を歌うようにメロディーをつけた 言葉 を発する 方の症例です。発作時の動画や脳波所見、心理検査の結果などから主に焦点についての検討 を しました 。今後は発作時 SPECT などで精査をすすめていく方向で結論がまとまりました。

症例2:長時間の意識消失を認める方の症例です。長時間の意識消失がてんかん発作だとすれば、非けいれん性のてんかん発作重積が考えられますが、 発作の途中で体が動かない事に気づくなどてんかん発作とは考えられない症状もあり、 PNES の可能性が高いだろうとの結論に至りました。

症例3:10代の頃に脳波検査の所見からてんかんと診断された方の症例です。発作症状は多彩であり、てんかんである可能性は低いとの結論に至りました。 今後は 傾聴を主体としたカウンセリング をしながら経過をみていくことになりました。

次回のてんかん症例検討会は11月18日(水)にすずかけクリニックにて開催予定です。

てんかん症例検討会が開催されました

9月16日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:急に倒れ、数分間全身がガクガクと震える発作を毎日繰り返していた方の症例です。てんかん発作なのかPNESなのかが検討されました。ガクガク震えるものが1分以上継続するのは、ミオクローヌスではなく間代発作であり、間代発作ならば意識消失を伴うはずである。このケースは全身が震えているのを本人が覚えている事からてんかん発作ではなくPNESだろう、という結論に至りました。また、PNESの診断には①possible、②probable、③clinically established、④documentedの4段階があり、今回のケースはpossible(発作の目撃者あるいは本人の陳述のみによる診断)である事、各段階の詳細についての説明もありました。

症例2:一点凝視、動作停止、口部自動症を認める発作を10年間以上放置していた高齢の方の症例です。若い頃に発作の出現があり、てんかんの発症時期がいつなのかが検討されました。若い頃の発作は急性症候性発作であり、発症は60代だろう、またてんかんの分類は脳波所見、症状から側頭葉てんかんでいいだろうとの結論に至りました。

症例3:数年前からGTCを3~4回/年認める方の症例です。PEかIGEかを判断するために、CPSの有無が検討されました。1回だけ言語障害を1時間程認めており、これはCPSである可能性が高く、PEであろうとの結論でまとまりました。また、本人の優位半球が左であり言語障害が起きたこと、発作動画では右側に強く痙攣している事、などから左側頭葉てんかんと診断されました。

症例4:10年以上前からてんかんと診断されている方の症例です。発作動画、発作時脳波、病歴からてんかんの可能性は否定されました。PNESである可能性も低く、ジストニアとの鑑別診断が必要であること、今後の本人への支援について意見が交換されました。

次回のてんかん症例検討会は10月21日(水)、すずかけクリニックにて開催予定です。