医療法人福智会 すずかけクリニック

てんかん・統合失調症・うつ病治療 名古屋・今池の精神科クリニック

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第16回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました

第16回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました

2019年11月9日(土)、第16回成人のためのてんかん診療フォーラムに参加しました。


日時:2019年11月9日(土)15:30~17:20
会場:ホテルメルパルク名古屋 1階『輝』 名古屋市東区葵三丁目16-16
【開会の辞】愛知医科大学理事長 祖父江元 先生
【特別講演1】15:35~16:30
座長:名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学教授 勝野雅央 先生
演者:むさしの国分寺クリニック院長 加藤昌明 先生
『てんかんを持つ女性が安心して妊娠・出産するための支援~正しい情報提供と、適切な薬物調整~』
【特別講演2】16:30~17:15
座長:名古屋大学脳とこころの研究センター 脳神経外科特任教授 前澤聡 先生
演者:愛知医科大学 精神神経科教授 兼本浩祐 先生
『けいれんするPNESについて』
【閉会の辞】名古屋医療センター 脳神経外科医長 梶田泰一 先生
主催:ユーシービージャパン株式会社・大塚製薬株式会社

加藤昌明先生からは、てんかんを持つ女性の妊娠・出産に際し、正しい情報提供と適切な薬物調整がいかに大切であるかについて、豊富な資料と図表を用いた説明がなされました。
まず「妊娠前にしておくこと」として、正しい情報提供を早めに行うこと、最適な処方を早めに実現することが挙げられました。妊娠中のてんかん発作による直接的リスク、児の認知機能への影響、抗てんかん薬服用時の大奇形出現率、各種AEDの催奇形性の用量依存性などについてそれぞれ解説があり、新たに治療を開始する際の第一選択薬としてまずLEVまたはLTGを使用し、VPAは避けるべきこと、すでに治療中の場合は薬物のリスクに関する十分な情報を医師・患者で共有すべきことが説かれました。
続いて「妊娠中にすること」として、妊娠中の用薬調整と授乳の説明の重要性について話しがありました。具体的には妊娠中の薬物血中濃度低下と蛋白結合率の関係、LTGのリスクを絡めた内容で、薬物は選んだ後が大切であり、発作の増悪と精神症状を見逃さないよう注意すべき旨説明がありました。

兼本浩祐先生からは、けいれんするPNESと題してお話しがありました。PNESは10万人に33人の割合で発症し、けいれんで重積になる場合が20~40%、致死的な状態になることもあり、特に日本においては起きやすいとのことでした。そしてPNESかてんかんかの判断がつきにくい場合は、まずはてんかんと疑って対処すべきこと、PNESの判断の基準として、病歴から判断する場合、目撃者がいる場合、てんかん専門医が目撃者である場合、発作脳波同時記録による場合があること、いくつかのサインを合わせて説明すべきことなどが説かれました。
「けいれんの質」からの考察として、フレクサーとイクステンサーのどちらか一方ならばてんかん、PNESは両方あること、立ったまま両手をぶらぶらさせることや前のめりの姿勢、首の横振りなどがPNESの疑いがあること、またてんかんの大発作の場合は、まず「あああ~」と強直し、細かい間代が続き、その後ゆっくりした動作になってハーッと吹き出し呼吸する、といった具合に一連の動きに起承転結があること、逆にPNESは起承転結がなく断続的になることなど、兼本先生ご自身がモデルとして実演した映像を交えながらユーモアたっぷりに説明してくださり、会場は軽妙な笑いと和やかな雰囲気に包まれました。

お二人とも、長年地道に取り組んでこられたテーマを各自の持ち味を生かした話しぶりでご披露くださり、参加者にとって非常に印象深くまた強い感銘を受けずにはいられない名講演でした。拝聴させていいただいたことを感謝したいと思います。

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