2022年1月 5日

日本精神障害者リハビリテーション学会 第28回愛知大会が開催されました。

第28回愛知大会
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日本精神障害者リハビリテーション学会第28回愛知大会が令和3年12月11日~12日にオンラインにて開催されました。

第一日目

  • 大会長講演「異障害コミュニケーションから気づいたリカバリーのサポート」
    福智 寿彦(医療法人福智会 すずかけクリニック 院長)
  • 特別講演「精神科における高齢者てんかん」
    吉野 相英 先生(防衛医科大学校病院精神科 診療部長)
  • 教育講演「言語聴覚士の視点から見たリハビリテーション」
    廣實 真弓 先生(帝京平成大学健康メディカル学部 言語聴覚学科 教授)
  • 特別基調講演「健常加齢と認知症の脳機能回路変化」
    祖父江 元 先生(愛知医科大学/理事長・学長)
  • 大会長企画「当事者シンポジウム:当事者が主役でなきゃリカバリーは進まない!」
    すずかけクリニックデイケアメンバー
  • 特別講演「地域でのインクルーシブな雇用を生む超短時間雇用モデルの実際」
    近藤 武夫 先生(東京大学 先端科学技術研究センター 人間支援工学分野 准教授)
  • 学会主催シンポジウム「精神障害リハビリテーションの研究と実践を展望する」
    発表者:山口 創生 氏/彼谷 哲志 氏/大石 甲 氏
    座長:後藤 雅博 氏/岩崎 香 氏

異なる障害を持つ人同士のコミュニケーション「異障害コミュニケーション」が今回の大会のテーマでした。

統合失調症などの精神障害を持つ人、てんかん発作のある人、知的障害を伴う人、身体障害を持つ人などが集まる場所では、障害への偏見や理解不足などから様々なトラブルが発生します。

多職種間や、患者と職員の間も同様です。自分と異なる障害を持つ人を排除するのではなく、様々な障害の特性を理解し合い、みんなで話し合う事によりトラブルを解決し、リカバリーを進めていく。すずかけクリニックデイケアでの取り組みが発表されました。

第二日目

  • 大会特別講演「リハビリテーションの視点からみた発達障害の支援」
    本田 秀夫 先生(信州大学医学部子どものこころの発達医学教室・附属病院子どものこころ診療部)
  • 映画上映「友達やめた」
  • 「映画『友達やめた』を通して考える異障害コミュニケーション」
    今村 彩子 監督
  • シンポジウム
    今村 彩子 監督・福智 先生・兼本 先生・本田 先生・多喜田 先生
  • 教育講演「身体の病と精神 ―リエゾン精神医療についてー」
    山田 了士 先生(岡山大学大学院 精神神経病態学教室 教授)
  • 副大会長基調講演「病理から見た精神医学について」
    兼本 浩祐 先生(愛知医科大学 精神科学講座 教授)

大会二日目には、「友達やめた」の映画上映がありました。

異なる障害をもつ二人の葛藤を撮ったドキュメンタリー映画で、今回の学会のテーマである「異障害コミュニケーション」を学ぶにはピッタリの映画でした。

映画上映後には今村監督、福智先生、兼本先生、本田先生、多喜田先生とのシンポジウムがあり、発達障害など様々な障害をもつ人との関わりについて活発な討論がなされました。

二日間の学会期間中、てんかんや精神疾患、発達障害、認知症などを抱える方の症例
や病理、また様々な職種の視点によるリハビリテーションについて、深く学ぶ事ができ
ました。

てんかん症例検討会が開催されました

12月22日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:過去に何回か症例検討会で検討している方の発作時脳波について検討をしました。発作は補足運動野の発作である、との結論でした。側頭葉てんかんとの違いなども検討しました。

症例2:様々な発作症状の訴えがある方の症例です。過去には数回てんかん発作があった可能性もありますが、現在は精神症状についての改善が重要であり、背景に発達障害がないのかを検討していくことになりました。

症例3:若年性欠神てんかんの症例です。今後の薬物療法について検討しました。

症例4:てんかんとPNESを疑われている方の症例です。発作時ビデオからPNESではなく、てんかん発作であろうとの結論に至りました。現在発作は抑制されておらず、今後の薬物療法についての検討をしました。


次回のてんかん症例検討会は令和4年1月19日にすずかけクリニックにて開催予定です。