2021年7月 9日

第16回全国てんかんリハビリテーション研究会が開催されました。

6月26日に第16回全国てんかんリハビリテーション研究会が開催されました。

一般演題

一般演題では、4題の講演がありました。

  • 「てんかん患者の訪問看護で見えてきた服薬に関する問題点」
    原 ますみ氏(医療法人福智会 訪問看護ステーションHOPE)
  • 「てんかんと知的障害を合併し衝動性の制御に難渋した一例」
    上西 優介氏(和歌山県立医科大学神経精神医学教室)
  • 「単科精神病院でのてんかん外来~精神科に期待されるてんかん診療とは?~」
    中岡 健太郎氏(愛知精神医療センター精神科)
  • 「異障害コミュニケーションを考える」
    福智 寿彦氏(医療法人福智会 すずかけクリニック)

特別講演

特別講演は、前澤聡先生によって普段見ることのできない硬膜下電極や深部電極の説明や実際の手術の様子なども紹介していただきました。

・「てんかん外科の最近の話題 SEEGと覚醒下手術」
前澤聡先生(名古屋大学脳とこころの研究センター特任教授)

日本では名古屋大学にしかない定位手術ロボットを利用した頭蓋内脳波記録は、開頭を必要としないため、患者さんへの負担も少なく、かつ安全性も高いそうです。

これから手術を検討する患者さんに対して、私達も知識をアップデートして正しい情報を伝えていく必要性を強く感じました。

パネルディスカッション

「当事者の夢を実現するリハビリテーション」のパネルディスカッションでは、当法人のデイケアや作業所などを利用されている当事者の方発表がありました。

発作や精神症状の悪化に加えて、子育ての問題や家族との死別など大変な難局を乗り越えて、一歩ずつリハビリテーションを進めてきた彼女の「昔は自分が嫌いだったけど、今の自分は好き」という言葉はとても感動的で心に響きました。

てんかん症例検討会が開催されました

6月16日にすずかけクリニックに於いて、てんかん症例検討会が開催されました。

患者様のプライバシーを考慮し、個人情報に関する内容は若干変更してあります。

症例1:他院の症例です。異常脳波所見が提示され、脳波とてんかんや知的障害の関係が検討されました。

症例2:当院で測定された発作時脳波について検討しました。補足運動野の発作であるとの結論に至りました。

症例3:過去に症例検討会で検討された方の症例です。現在は転院しており、転院先での経過について報告がありました。MELAS(mitochondrial myopathy,encephalopathy,lactic acidosis,and stroke-like episodes)と診断され、過去の発作はこれにより出現したものであろう、との結論に至りました。

症例4:側頭葉てんかんの症例です。今後の薬物調整について検討されました。

症例5:過去にはてんかん発作も出現していましたが、現在はPNESが多く出現している方の症例です。今後の治療方針について検討されました。

次回のてんかん症例検討会は7月14日にすずかけクリニックにて開催予定です。