てんかん・統合失調症・うつ病治療 名古屋・今池の精神科クリニック

052-731-8300


〒464-0850 名古屋市千種区今池 5-19-12

  1. トップ
  2. てんかん症例検討会
  3. 2013年10月のてんかん症例検討会

2013年10月のてんかん症例検討会

2013年10月16日(水)に、恒例のてんかん症例検討会を愛知医科大学と合同で、すずかけクリニックにて開催しました。
今回取り上げられた事例に基づいて議論された内容をご紹介します。
(プライバシーに配慮し、個人情報にかかわる部分は実際と異なる内容となっています)

事例1) 「失語発作」の事例

薬物療法により発作を抑制することが難しいケースで、むしろ副作用による負担を検討していく必要がある旨が議論されました。
失語発作がある方については脳の言語領野に発作焦点があるため、手術を実施することも難しいのが現状です。
こうした事例の場合はVNS(迷走神経刺激療法)を実施し、患者の自己コントロールを高めるサポートをしていくのが適しているのではないかという意見も出されました。

事例2)前頭葉てんかんが疑われる事例

前頭葉てんかんの特徴的な点は、「発作開始直後すぐに運動がみられる」というところで、例えば「立ち上がる」、「走り出す」、「声を上げる」といった行動が現れます。
こうした前頭葉てんかんの発作では持続時間が比較的短いことや、意識減損が比較的軽度のため、ぼんやりと発作中の出来事を覚えていることがある点も、側頭葉てんかんと比べて特徴的であるといえます。
また、前頭葉てんかんで最も典型的な例では入眠中に発作頻度が増加するケースだとのことで、今回紹介された事例はこれらの特徴に合致することから前頭葉てんかんと考えてよいのではないかと結論づけられました。

事例3)心因性(非てんかん性)の発作が疑われる事例

今回提示された事例では、気分の状態が発作に影響しやすい点や、意識消失の時間が長い点、転倒の仕方などから心因性の発作が疑われました。
心因が考えられる事例の場合は、抗てんかん薬が処方されていることがひとつの精神的な支えになっている場合もあるため、処方を止めることに抵抗がみられる場合があることに留意が必要です。
今回の事例の場合は患者が10代半ばと若年であるため(高齢の事例の場合は、あえて直面化させるリスクを選ぶ必要がない場合も多々ありますが)、発作が非てんかん性のものであることを精査し、「てんかんではないかもしれない」ことを明確に伝える必要性があるのではないかと議論されました。
心因性の発作のケースには心理療法が効を奏する場合がありますが、知能指数により適応の有無を検討する必要があるようです(概ね、IQ90以上であれば内面を掘り下げる心理療法の適応となりますが、90未満であれば環境整備や生活指導を中心とした方が良いのではないか、と意見が出されました)。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

« »