てんかん・統合失調症・うつ病治療 名古屋・今池の精神科クリニック

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第166回北信精神科診療所医会で発表致しました(7月18日)

平成25年7月18日に、長野ホテル犀北館で開催された「第166回北信精神科診療所医会」で「精神科クリニックでのてんかん治療 ~認知機能面から診たてんかん治療~」という演題で講演を致しました。

遅ればせながら講演の内容をご紹介致します。

講演では、次のようなことをお話しさせていただきました。

1. 社会生活を送りながら、てんかん患者の発作状況や、それ以外の問題点を観察することができ、治療効果のアセスメントが可能な場として、外来に併設した「デイケア」が有用であると思われます。
長期の入院は自立の妨げになりますし、かといって外来診療だけでは問題点を見逃してしまうことが往々にしてあります。「デイケア」は両者の欠点を補完できる治療環境といえます。

 

2. てんかんの当事者の方々が困っていることとして、次のようなものがあります。
・小児科では、結婚や出産の悩みへの対応をしてもらうことができない。
・脳外科では、手術が終わると診療をしてもらうことが難しい。
・神経内科では、精神症状が現れると診療してもらえないことがある。
・精神科では、てんかんの外科手術をなかなか促してもらえない。

同じてんかんを診療している医師でも、その拠り立つベースが違うと検討会でも意見がなかなかまとまりません。まずは同じ科の専門医同士である程度の結論を出した上で、他科の専門医と協議することが必要です。その上で、最終的な選択権は患者さん自身にゆだねられるべきです。

 

3. てんかん治療に携わっている私たちの仕事は、あくまで「当事者に、自分に合った治療や生き方を選択してもらうためのサポートをすること」と捉えるべきです。

そしてそのためには医療機関同士だけでなく、福祉施設や就労支援施設と医療機関が連携することも必要です。
この場合も、それぞれの施設の職員がきちんとてんかんやリハビリテーションの知識をもつことが不可欠です。

てんかん治療の連携が広がれば、その分だけ当事者の方が希望する地域で暮らせる選択肢が広がります。
そのためにも、「てんかん治療の仲間」を増やす取り組みが私たちてんかん専門医には求められているのだと思います。

 

4. てんかんに限ったことではありませんが、病気や障害を抱えた人は「病者」としての生き方やあり方を押しつけられがちです(時には、当事者自らが自分自身を「病者」の枠組みに閉じ込めてしまうことすらあります)。
そしてそのために、本来あってしかるべき社会的な役割を失ってしまっている方が多くいます。

ところで、人間の脳には、何らかの刺激に関心を向けると、その重要な刺激に脳の回路が偏向する=それ以外の刺激の妨害をする、という性質があります。
ですから、例えば「仕事」という刺激に注意を向けていることで、他の問題や病気の症状といった刺激を受けることが少なくなるということが考えられます。

また、人に褒められること・人の役に立つこと・人から必要とされること…これらは人の幸福感を支える大切な要素ですが、仕事をすることで得られる体験でもあります。

現在進行形で何らかの病気や障害をもっている方にとって、仕事というストレスがかかることには確かに一定のリスクがあることを想定する必要はあると思います。ですが、仕事等を諦めさせるのではなく、その人に果たせる役割を見つけ、社会に参加していける支援をすることこそ治療的であると、上記の理由から私は考えています。

 

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