てんかん・統合失調症・うつ病治療 名古屋・今池の精神科クリニック

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第20回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会

20回目の名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会をメルパルクNAGOYAにて開催いたしました(協賛:大塚製薬株式会社)

一般演題:『アリピプラゾールによって寛解した統合失調症患者にとってのリカバリーとは』
(愛知医科大学医学部 精神科学講座 伊藤 剛先生)

特別講演:『レジリアンスと統合失調症』
 (自治医科大学 精神医学教室 准教授 小林 聡幸先生)

今回を迎えられましたのも、皆様のご理解とご支援の賜物とありがたく存じます。
今回の講演内容をご紹介致します。

一般演題
『アリピプラゾールによって寛解した統合失調症患者にとってのリカバリーとは』

(愛知医科大学医学部 精神科学講座 伊藤 剛先生)

伊藤先生には、統合失調症の症例を基にアリピプラゾール(商品名:エビリファイ)が患者さんの治療上もたらした効果についてご紹介いただきました。

アリピプラゾールは旧来の抗精神病薬と比べてヒスタミンをブロックする割合が少ないため、食欲増進の副作用が少なく、心疾患系疾患のリスクとなる肥満を防止しうるというデータもご報告くださいました。統合失調症の方には服薬による副作用からの過食という問題を抱えていらっしゃる方も少なくなく、QOLを向上していく上では、必要に応じた変薬を検討することが必要であることを改めて確認させていただくことができました。

 

特別講演
『レジリアンスと統合失調症』

(自治医科大学 精神医学教室 准教授 小林 聡幸先生)

今回の特別講演では、自治医科大学より小林 聡幸先生をお招きしてお話しいただきました。

「レジリアンス」は、これまで精神疾患を理解するにあたって用いられてきたストレス―脆弱性モデルに代わる、新たなモデルとして近年しばしば用いられますが、今回のご講演では改めてその用語のもつ意味からご説明いただきました。

Resilienceという英語自体は、日本語訳すると「跳ね返り」、「回復力」、「衝撃への強さ」といった意味が含まれていますが、精神医学の領域で用いられる場合はこうした「ストレスに対する跳ね返り力」という意味に、更に「自己治癒」(Selbstheilung)という概念も含まれているようです。

「自己治癒」とは、病気がひとりでに治ることでも、患者さんが自分で治療法を意図的に編み出すことでもなく、「病気になる力と、治ろうとする力は常に拮抗している」という発想に基づく、病気そのものが必然的にそうした傾向を必然的に内在させているということ・生体は固有に治癒力を内在させているということをご教示いただきました。

私たちが統合失調症をはじめとする精神疾患の治療に取り組むにあたり、今回ご紹介いただいた花村誠一先生の「統合失調症の回復は、以前の状態に逆戻りすることや、ダムの水量のように一定の水位に再び達することを意味しない」という言葉、そして小林先生の「患者さんの創造性(人生の創造)をいかに伸ばしていくかが、治療である」という知見は胸に刻まなければならないことだと感じた次第です。

 

当日ご多用の中お集まりくださった皆さま、そしてご講演くださった伊藤先生、小林先生にこの場をお借りして改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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