医療法人福智会 すずかけクリニック

てんかん・統合失調症・うつ病治療 名古屋・今池の精神科クリニック

052-731-8300


〒464-0850 名古屋市千種区今池 5-19-12

サイコソーシャルリハビリテーション研究会

第40回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会に参加しました

2019年11月30日(土)、第40回名古屋サイコソーシャルリハビリテーション研究会に参加しました。


日時:2019年11月30日(土)18:00~
場所:ホテルメルパルク名古屋 3階「若葉」  名古屋市東区葵三丁目16-16
【情報提供】18:00~「不眠症治療薬 ルネスタ錠について」 エーザイ株式会社
【一般演題】18:15~18:45
座長:すずかけクリニック院長 福智寿彦
演者:福智クリニック デイケア「ぶなの森」臨床心理士 伊藤友厚
『当院デイケアにおける高齢者統合失調症患者の現状~その後を見据えたアウトリーチ~』
【特別講演】18:45~19:45
座長:愛知医科大学 精神科学講座教授 兼本浩祐 先生
演者:久留米大学病院 精神神経科准教授 小曽根基裕 先生
『うつと睡眠障害』
共催:サイコソーシャルリハビリテーション研究会・エーザイ株式会社

伊藤心理士からは、所属する福智クリニックデイケア「ぶなの森」での高齢化する統合失調症患者の現状及び今後の取り組みについて発表がありました。60歳以上の高齢者の疾患別割合、デイケア利用状況など、資料を用いて提示し、将来に向けた支援のあり方として、訪問看護による身体的なケアが重要であること、生活介護や介護保険に引き継いでいくこと必要である旨説明がありました。また、アウトリーチの意義として、デイケアの限界を見据え、地域内で自立した生活を送るためにPSWや看護師が他機関と連携していくことで専門性を活かした包括的な支援を提供できるとの話があり、具体的に2つの実例を用いて支援の経過、課題の抽出、今後の方向性の位置づけが提示されました。最後に、今後の法人としての訪問看護ステーションを新設してアウトリーチについて新たな取り組みを進めていくことに言及し、結びとなりました。

小曽根先生からは、「うつと睡眠障害」と題して、睡眠学から見たうつと不眠についての話がありました。うつの人の8割が睡眠障害があり、寛解後も3~6割は残ること、学生時不眠の人がのちにうつになりやすいこと、また現在ではうつと不眠は独立していて、かつては抗うつ剤だけで治療していたのが今は睡眠薬を用いていること、短期睡眠行動療法は不眠に効果があることなど、図を用いて説明がなされました。また、就労者の不眠のリスク、睡眠負債の実態の他、睡眠と認知の関係、うつの人の睡眠内容変化、抗うつ剤とBZ系睡眠剤の効果の違い、うつに併存しやすい睡眠障害として睡眠時無呼吸症候群などについても資料に基づいて詳しい解説をしていただきました。特に就労者の話の中で、日本は睡眠時間が6時間未満と少なく、不眠が続くことでQOL、作業能力が落ち、糖尿やうつの発症リスクがあり、産業事故などの惧れが高まること、十分に寝ても睡眠不足解消に3週間かかるという睡眠負債についての話で、勤務間インターバルの重要性が説かれたことなど、自分たちの仕事のあり方を見つめる上でも貴重な示唆をいただけたと思います。

お二人とも穏やかな語り口の中にご自分たちの取り組みへの強い思いを感じさせてくれる素晴らしい講演でした。ありがとうございました。

第39回サイコソーシャルリハビリテーション研究会を開催しました

6月29日(土)、第39回サイコソーシャルリハビリテーション研究会を開催しました。


第39回サイコソーシャルリハビリテーション研究会(共催:ユーシービージャパン株式会社)
日時:2019年6月29日(土)17:00~18:30
会場:ホテルメルパルク名古屋 3階「シリウス」
参加費:1000円
一般演題:「多機能垂直型診療所における支援の成功例」
医療法人福智会すずかけクリニック 心理士 百瀬裕一郎
特別講演:「認知症とてんかん」
高知大学医学部 神経精神科学教室 教授 數井裕光先生


百瀬心理士からは、当福智会が実践している「多機能垂直型」診療所の諸々の取り組みについての報告がありました。別法人どうしの組織で連携し合う「水平型」に対し、同一法人内に多くの組織を有する福智会の「多機能垂直型」の特徴として、
①「入口の広さ・受け皿の多さ」・・・トップダウンではなく、各自の特性を活かしたチームワーク型
②「機動力」・・・治療理念を共有し、迅速で幅広い支援を提供できる
③「地域社会へとつなぐ支援」・・・「就労移行支援」の導入により、地域社会へ支援を広げることで、本人のモチベーションの向上、可能性の拡大につながる
の3つの事柄が挙げられます。その特徴を活かした実践例として、長年引きこもりだった方が、訪問看護、デイケアの利用を経て就労移行支援の利用に至る過程、てんかんの当事者の方が、主治医が別法人でありながら当法人内のデイケア、就労移行支援、B型作業所の利用を通じてリカバリーしていく様子について、図表を用いて具体的に説明がなされました。いずれも、スタッフ間の頻繁な情報共有、綿密な関係者ミーティングによる要因の特定により、本人の特性・強みを活かした支援を提供することができた画期的な事例でした。
百瀬心理士のよどみない明朗な弁舌からは、法人の理念を現場で体現するスタッフとしての確信が伝わってくるようで、福智会の次世代の旗手たらんとする気概が十分に感じられました。

數井先生からは、認知症とてんかんの関連について、多角的な視点からお話しをいただきました。認知症の定義から始まり、大まかな診断の流れ、MMSEとHDS-Rの違い、鑑別診断において重要性を置く視座についての詳細な説明を経て、具体的な病気の例として「特発性正常圧水頭症」が挙げられました。高齢者の100人に1人が発症する病気で、髄液シャントが効果があり、MRIを用いて脳室等を綿密に調査する過程など、画像によりわかりやすく解説していただきました。
続いて「アルツハイマー型認知症」の特徴、一過性てんかん性健忘との鑑別の方法、「レビー小体型認知症」に特有の症状や幻視の心理的影響、本人や家族へのフォローのなどのお話しがありました。また、症状に悩む当事者に向けた「認知症ちえのわnet」というウェブサイトがあり、関係者の取り組みや当事者のうまくいったケア体験などを自由に投稿・閲覧することができ、情報共有ができるというもので、大阪、東京、兵庫などに続き、愛知県でも利用者は確実に増えているとのことでした。
認知症高齢者のてんかん発作の合併率は認知症でない方の6~8倍と高く、また認知症と精神症状との見極めについても困難な事例が数多くあり、医療関係者が様々な垣根を越えて情報や症例を検討し共有し合っていくことの重要性を、改めて実感させていただけたことは、非常に有意義であったと思います。また、數井先生の、軽妙でありながらもご自身の医療への強い思いに裏打ちされた語りには、一同大いに魅了されました。

ご講演くださった先生方、誠にありがとうございました。
次回のサイコソーシャルリハビリテーション研究会は、11月30日(土)に開催予定です。
多くのDr.、コメディカルの先生方のご参加をお待ちしております。


<English>

The 39th Psychosocial Rehabilitation Seminar (co-sponsored by UCB Japan Co, Ltd.)
Date and Time: Saturday, June 29, 2019, 17:00-18:30
Venue: Hotel Mielparque Nagoya 3F “Sirius”
Participation fee: 1,000 yen

General Presentation: “Successful Examples of Support in Multifunctional Vertical Clinics”
By Medical Corporation Fukuchikai, Suzukake Clinic Psychologist Yuichiro Momose

Special Lecture: “Dementia and Epilepsy”
Professor Kazui Hiroaki, Department of Neuropsychiatry, Kochi University School of Medicine

 

Psychologist Momose reported the various initiatives of the “multifunctional vertical type” clinic practiced by the Fukuchikai. Compared to the “horizontal” type, which cooperates between different corporations, “vertical” type clinics, where many organizations within the same corporation work together, have several strengths.

1.Broad acceptance
Accepting various types of people from the different organizations in the same corporation
2. Mobility
Sharing treatment strategies and providing quick and wide-range support
3. Connecting to local community
Supporting employment transfer in local communities, increasing motivation and expanding potentials

Two examples were shown to demonstrate the advantages of multifunctional vertical types. First was about the progress of a patient, who had withdrawn from society for many years, gradually came out through the use of visiting nursing, day care, and finally employment training. The second example was the process of “recovery” of a person with epilepsy. Though the primary doctor was from a different corporation, the patient recovered through our day care, employment training, and Type B workplaces. Both were ground-breaking cases where, by sharing information frequently between staff and holding many detailed meetings, we were able to provide support that took advantage of characteristics and strengths of the individuals.

Dr. Kazui spoke about the relationship between dementia and epilepsy from various perspectives. After a detailed explanation of the definition of dementia, the process of diagnosis, the difference between MMSE and HDS-R, and the important viewpoints of differential diagnosis, “idiopathic normal pressure hydrocephalus” was cited as an example of a specific disease. One in 100 elderly people develop the disease. Images were used to illustrate how cerebrospinal fluid shunt is effective, and how to examine the brain using MRI.

After that, there were discussions about the characteristics of Alzheimer’s disease, how to distinguish from transient epileptic amnesia, the psychological effects of symptoms and delusions unique to Dementia with Lewy Body (DLB), and how to support the patients and their families.

In addition, a website called “Dementia Chie-no-wa net” was introduced. On this website it is possible to freely post and view the activities of patients and the related people, and the successful care experience of them. Uses are increasing in Osaka, Tokyo, Hyogo, and also in Aichi. 

The rate of seizures of epilepsy in elderly people with dementia is 6 to 8 times higher than those who do not have dementia, and there are many difficult cases of distinguishing between dementia and psychotic symptoms. The importance of medical staff examining and sharing information and cases across various barriers were emphasized. It was very meaningful that we were able to realize this again. Everyone was fascinated by Dr. Kazui’s light-hearted but strong desire for medical care.

Thank you very much for the wonderful lectures.
The next Psychosocial Rehabilitation Seminar will be held on Saturday, November 30.
We look forward to the participation of many doctors and co-medical staffs.

 

第38回サイコソーシャルリハビリテーション研究会を開催しました

3月30日(土)、第38回サイコソーシャルリハビリテーション研究会を開催しました。


第38回サイコソーシャルリハビリテーション研究会(共催:ヤンセンファーマ株式会社)

日時:2019年3月30日(土)17:00~18:30
会場:名鉄グランドホテル11階「桂の間」

座長:医療法人福智会すずかけクリニック 院長 福智寿彦
一般演題:「維持期を見据えた統合失調症治療‐パリペリドンの役割‐」
医療法人回精会 北津島病院 苅田公平先生

座長:愛知医科大学 精神科学講座 教授 兼本浩祐先生
特別講演:「通信情報技術や人工知能を活用した今後の精神科医療の展望と課題」
慶応義塾大学医学部精神・神経科学教室 専任講師 岸本泰士郎先生


苅田先生からは、維持期の統合失調症のケースに、従来の向精神薬からパリペリドンにスイッチした場合の効果についてご報告いただきました。従来の向精神薬では錐体外路症状など副作用が出ていたケースも、パリペリドンを使用したことでCP換算値が低下し、副作用が軽減するなどのメリットがあったそうです。
臨床に即したデータをご提示いただき、大変参考になりました。

岸本先生からは、AIやオンライン診療についてご講演をいただきました。当初、情報通信技術やAIをテーマにお話しくださるとのことで、難しいお話なのでは…と先入観を持っていましたが、大変興味深く勉強になるご講演でした。

今後は幅広い分野でますますAIの活用が進んでいくと思われますが、例えばスタッフ自身の共感性や患者さんへの接し方・関わり方のスキル向上のため、AIを用いてコミュニケーションのあり方をチェックするなど、精神科リハビリテーションの領域でもAIを上手に取り入れ、人のスキルや人間力もアップできる時代が来るとよいなと感じました。また、遠隔診療についても日本は海外に比べて導入が遅れていますが、メリットを生かしながら精神科医療にも導入が進んでいくことを期待しています。

ご講演くださった先生方、誠にありがとうございました。

次回のサイコソーシャルリハビリテーション研究会は、6月29日(土)に開催予定です。
多くのDr.、コメディカルの先生方のご参加をお待ちしております。


 

<English>

39th Psychosocial Rehabilitation Workshop
March 30th

Dr Kariya showed us the effects when the medicine was changed from previous psychoactive drugs to Paliperidone. In cases where previous drugs has caused side effects such as extrapramidal symptoms, Paliperidone had shown less side effects.

Dr Kishimoto gave us a lecture on AI (Artificial Intelligence) and online medical examination. AI is expected to be introduced even into psychiatric fields in the future. For example, AI could be used to check the medical staff’s empathy and their attitude to the patients.

Thank you very much for the wonderful lectures. The next workshop will be on June 29th.